関節リウマチ 治療

関節リウマチの症状を抑制し苦痛を癒やす5つの治療法


〈 プロローグ 〉

「ほら、指がこんな格好になっちゃって・・・やだねえ、まったく。朝に痛くてね、指がこわばって満足に手が握れないの。これから寒くなると水仕事が辛くてね。フライパンも持てなくなっちゃった・・・」

そう言って差し出された手の指は節々が太くなっていて、末節が横向きに曲がってしまっている指もあった。

75歳にして現役美容師の彼女はチャキチャキと動いてよく笑う。先日も、

「後期高齢者だって、やんなっちゃうねー」

と、年齢を感じさせないお茶目な笑顔を見せていた。

けれども体の不調の訴えは多く、目眩、耳鳴り、肩こり、下肢の痛みなどに加えて、近頃は手首や手指の痛みに悩まされているのだという。


・・・数年前、白血病で自宅療養をされていたご主人の両脚がひどく浮腫み、訪問マッサージの依頼を受けた。
彼女は自宅で美容室を営みながらご主人の看病を続けていたのだけれど、連日のように夜中に足をさすってくれと求められることがとても負担になっていたらしい。

それからご主人が他界されるまでの3年程の期間をマッサージに通わせていただいた。
その縁でいまも時々、自身も体に不調の多い彼女の依頼があると、こうしてマッサージ治療に伺っているのである。


「着付けの途中で目が回っちゃったり、手が痛くて帯がしめられなかったり、目も見えにくくなってきたし、もう美容室も閉じようかと思ってるんだけど・・・でもそうすると世間との繋がりが無くなっちゃうような気もしてね・・・」

と、一人暮らしの彼女にとって冠婚葬祭の着付けなどを今も頼まれることは、身体には負担であるけれども、自身の存在感覚を満たす心の支えであるのかもしれない。

引き際を意識しながらも、その後の暮らしのイメージがまだ出来ていないことが、きっと不安なのだと思う。
せめて気持ちの整理がつくまでは仕事を続けて頂けるようにと思い、私は彼女が抱えている痛みを和らげる方法について考えはじめた。



〈 関節リウマチの原因って? 〉

関節リウマチは長いあいだ原因のよくわからない病気として罹患した人に大きな不安と苦痛を与え続けてきましたが、近年急速にその原因が解明され、それに伴い極めて有効な治療薬も種々開発されています。

関節リウマチ治療が現在急速に進歩していることの要因は、関節リウマチを含む膠原病の原因が、人の免疫機能の異常であると解明されたことにあります。
本来は体内に侵入した病原菌などの有害な異物を排斥するための防衛機能であるはずの免疫が、どういうわけか自らの体を構成する組織を攻撃し始めるのです。
それによって関節の軟骨や靭帯が破壊されてしまいます。


 1つ目の治療法・医療



先にも述べましたが、関節リウマチの治療は現在目覚ましい進歩を見せていて、近年開発されている新しい薬は免疫の暴走を抑制して関節の炎症と組織の破壊を防ごうとするものです。
それによって現在は、これまで主流であった消炎鎮痛薬による「結果としての症状」を抑える治療に加えて、より根本的なレベルで病因のコントロールが可能になってきています。

いま、関節リウマチの治療は、いかに早い段階で治療を開始し関節の破壊を未然に防ぐかということに主軸がおかれています。
軟骨や靭帯などの血流に乏しい新陳代謝の行われにくい組織はいったん損なわれてしまうと再生は難しく、再生治療の研究成果も報告されてはいますが、未だ一般には普及していません。
ですので、朝の手のこわばりなど関節リウマチが疑われる症状を自覚した場合には、いたずらに受診を躊躇して不安な日々を過ごすのではなく、まずは専門医に相談されることを強くお薦めします。

 2つ目の治療法・食事



関節リウマチでは自身の免疫機能が関節の組織を攻撃していることが解明されてきています。いわば「自家アレルギー」です。

「アレルギー体質」ということがよく言われていて、数多の物質に対してアレルギーを起こしやすい体質であるということですが、人がアレルギーを起こす物質は数え切れないほどあります。
動植物由来の食品や花粉や樹液、ハウスダスト、蜂などの生物毒、金属類、シックハウスシンドロームに見られる様な化学物質等々。
けれどもそれらに接触しても、どうということもない人もいれば、強いアレルギー反応を起こしてショック状態や呼吸不全に陥り、そのまま落命してしまう人もあります。
学校給食などで痛ましい死亡事故が発生したりしているのは、皆さんもご存知のところかと思われます。


アレルギーについては未だ誤解も多く、例えば春の花粉症の季節に、

「自分は杉の木だらけの田舎で育ったから、免疫があるし大丈夫」

ということを言う人がありますが、これは間違いです。
その物質に対して免疫が獲得されていないから体が拒絶反応を示さないわけで、免疫があれば、免疫機能は花粉を有害な異物として排斥しようとします。
くしゃみ、鼻水、目の痒み、充血などは、免疫を有しているがために引き起こされる症状なのです。


免疫が異物を排斥・駆逐しようとするアレルギー反応を別の言い方で「抗原抗体反応」と言ったりします。
抗原というのは花粉やウイルスの様な原因物質で、それが体に侵入した時に迎え撃つ生体の備えが抗体です。
抗体は過去に同様の物質が侵入した時に免疫がそれを有害な物質として記憶し、次の侵入に備えて生成されます。
この抗原と抗体とのせめぎ合いが発熱や炎症なのですが、あろうことか自分自身の組織を有害な異物と認識し、それを免疫が攻撃し続けてしまうのが関節リウマチという病気なのです。

以上のような免疫反応には人それぞれに感受性の違いがあるわけですが、それをもたらす要因として重要なのが食事です。
他にも生活環境や精神的なストレスなどの要因も軽視できないのですが、食習慣は自分自身で改善が可能な課題ですので、まずはそこから改善に取り組んでみましょう。


さて、私たちは食べた物を胃や腸などの消化管で消化・吸収し、その栄養によって身体を維持しています。
けれどもそうした食物の中には消化吸収の容易な物もあれば、

「ちょっとこれ大丈夫なの?」

と、腸が吸収を躊躇するような食べ物もあります。
加熱していない生の蛋白質などがそうなのですが、タラコや筋子、刺し身など、生で摂取するタンパク質は免疫の警戒を受けやすく、腸はそのような免疫系の監視係としての機能も備えていて、疑わしいものの過剰摂取は必要以上に免疫の活性を高めてしまう心配があります。

冬は魚介類の美味しい季節ですが、食欲に任せて頻繁に生食をすると免疫活性の高まった状態で春の花粉症シーズンを迎えることになり、症状が重くなったりするわけです。

関節リウマチもいわば免疫の暴走により引き起こされる病気ですので、できれば免疫機能を過剰に刺激することは避けたいところです。
それによって、どうということのない安全なものにまで、免疫を獲得しやすい「アレルギー体質」になってしまうかもしれません。
タンパク質の生食は極力控えたほうが良いでしょう。

一方で、免疫系の監視係としての腸そのものの健康も大事です。
監視が適切に行えなければ、それはそれで免疫系の撹乱の引き金になってしまいます。
腸内フローラ(腸内細菌叢)が近年注目されていますが、腸を健康に保つことは免疫系の安定のためにも大切なことなのです。

過度の飲酒や抗生物質の乱用などは腸内環境の悪化を招いてしまいますので要注意です。
そうした点では納豆やヨーグルトなどの発酵食品は免疫機能にも良い影響を及ぼしてくれるはずです。
現に、日本の某有名食品企業からは、アレルギー症状を緩和してくれる乳酸菌飲料も販売されています。

 

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